先日発表させていただいた野鳥GOの生息地検索機能につきまして、皆様から多くのお声やご意見、フィードバックなどを頂きました。その後、業界有識者の方に相談させていただいたり、野鳥撮影・保護活動にお詳しい方からご意見や助言をいただきまして、発表当初より方針などを変更しましたので、ご説明させていただきます。実装の有無や時期まず現時点で生息地検索機能は実装されるかは未定です。発表時は9月実装を予定していましたが、実装するとしてもまずAndroid版のリリースやWebでの図鑑公開機能などを優先予定のためかなり先になると思われます。仮に実装する場合の方針仮に実装することがあっても、現時点で以下のような設計を想定しております。情報の形式についてソーシャルメディア(SNS)のようにユーザー同士で位置情報を共有し合うのではなく、運営によって管理された情報を表示する形式を想定しています(発表時も画像などで誤解させてしまったのですがその想定でありました)。提供する情報も、珍鳥の発生(いわゆるバードアラート)や各地での繁殖の開始などのイベント的なの情報ではなく、一般的に知られる時期や分布情報の掲載を想定しています(図鑑の説明文にも時期や地方レベル、諸島などの分布を掲載している種があります)。ただしユーザーが自分だけの利用目的で「生息地に限らずメモのためにマップ上にピンを立てたい」というニーズはありまして、将来含めてユーザー本人でさえ公開できない形で、このピン機能は実装する可能性が高いです。詳細度についてまたどんな種であれ、「生息情報の詳細度はどんなに詳細でも県レベルまで」に設計方針を変更しました。例えば周回に1時間かかるような公園や池でも、カメラマンが集まれば実質ピンポイントと同じだから、という点なども教えていただき詳細度を変更した次第です。ポイントに人が集まりすぎると地元住民への影響も出てきます。また県レベルであっても、そもそも希少種(※)や珍鳥、絶滅種、変異種(アルビノ等)、トラブルが多い種などはすべてを非公開にしたりなどの厳し目の制限を想定しています。※2024/8/18時点で希少種登録している鳥(一例):オオモズやアカモズなど希少モズ系。サンカノゴイやヨシゴイなどゴイ系の大半。トキ・ヘラシギ・クロツラヘラサギなど絶滅危惧種。コウノトリやコアジサシなど繁殖地が失われている種。ブッポウソウ、アカショウビン、ヤマセミ、オオルリ、コマドリ、ミソサザイ、ベニマシコ、ヤイロチョウ、サンコウチョウなどの見た目も美しく人気な種。オオタカやチュウヒ、オオワシなどワシ系の大半。アオバズクやトラフズクなどフクロウ系の大半。ヤツガシラなどの迷鳥。現時点で158種で、絶滅危惧種や稀な旅鳥、迷鳥などは基本的に全て。生息地以外のマップ検索機能野鳥個々の生息情報ではなく、例えば佐賀の東よか干潟のような「探鳥地としてPRされており、界隈では有名過ぎるが初心者バーダーはまだ知らない」、そのような場所のマップなどは認知が広がることでその保全の必要性などの認知も広まると思い、良いのではと考えております。ただし、どんな場所も人が集まりすぎるとトラブルも増えるため、探鳥会が定期開催されているような有名地であってもバランスが難しいなと思います..。このあたりも、実装する場合は識者の方に相談させていただきつつ設計したいと思っています。また各地のビジターセンターや花鳥園などの施設をマップ表示できるだけでも面白いかも知れません。一般アプリという立場について上記のような時期や地方レベルの生息情報、場合によっては県や市町村レベルでの生息情報が、ネットだけでなく野鳥図鑑やバードウォッチング関連の書籍にも掲載されており、情報の入手難易度はそれこそ検索すれば出てくるレベルではあります。しかし「すでにネットで公になっていたり本や各研究機関などのサイトに掲載されているから」と言って、より情報を手軽に入手できるアプリのマップUIや一覧などに掲載していいとは考えておりません。言い方が難しいですが、やはり情報入手の手軽度合い、によって野鳥への影響のバランスが保たれている面があると思います。また野鳥GOの場合、メインのユーザーさんはカメラマンで、お子さんや初心者バーダーの方が多くなると想定されます。一方で既存の研究機関の分布情報を見る方は観察や研究、保護活動を行う方などと目的や経験、価値観などで違いがあると考えており、誰でもアクセスできる本やWebであっても「主に誰に向けて書くのか」で提供する情報は変えないといけないと認識しています(当然と言えば当然なのですが..)。最後に生息地検索について新たな方針を記載させていただきましたが、繰り返しになりますが実装自体は未定で、するとしてもかなり先になると思います。図鑑や識別など他の機能を1つずつリリースしつつ、フィードバックを頂きつつ、設計・実装・改善を行っていければと思います。ご質問やご意見などは引き続きお問い合わせフォームよりご連絡ください。今後とも野鳥GO(名前も変わるかもしれません)をよろしくお願いいたします。