これまで「保護種・非公開種」という名前で図鑑上の扱いを分けていましたが、改めてこれらをまとめてセンシティブ種という命名にし、区分と扱いを整理しました。
センシティブ種の策定
センシティブ種(Sensitive Species)という命名は eBird や Darwin Core、GBIF でも採用されているため、こちらに合わせました。
ただし、選定種や区分の段階まで上記団体と合わせたわけではなく、野鳥GOではセンシティブの度合いを4段階に区分し、推奨行動と野鳥GOアプリ上の対応(アプリ上の表示、他者公開の仕様など)を定めました。
| センシティブ度 | Extra high | High | Medium | Low |
|---|---|---|---|---|
| 推奨行動 | 観察自粛 | 慎重観察 | 注意観察 | 通常観察 |
| アプリ上の対応 | 登録不可 | 公開不可 | 公開制限 | 一般公開 |
Extra high
- イヌワシ
- シマフクロウ
- アカモズ
High
- ヤイロチョウ
- サンカノゴイ
- オオヨシゴイ
- ミゾゴイ
- トキ
- ヘラシギ
- クマゲラ
- ライチョウ
- ブッポウソウ
- タマシギ
Medium
- チゴモズ
- サンコウチョウ
- シロチドリ
- ツバメチドリ
- コアジサシ
- ウミスズメ
- アカショウビン
- ヤマセミ
- ハチクマ
- クマタカ
- ツミ
- ハイタカ
- オオタカ
- チュウヒ
- ハイイロチュウヒ
- オジロワシ
- サシバ
- チゴハヤブサ
- ハヤブサ
- アオバズク
- トラフズク
- コミミズク
各区分の詳細は保全ポリシー(旧:情報公開ポリシーページ)をご覧ください。
保護種・非公開種から区分が変わった種
基本的に、保護種 → Extra high / High、非公開種 → Medium にリネームしたのみですが、区分(扱い)を何種か変更しています。
旧保護種であったライチョウ、ヤイロチョウ、オオヨシゴイ、サンカノゴイ、ブッポウソウ、タマシギは High に区分
これらは Extra High に区分したシマフクロウ、イヌワシ、アカモズと比べ、フィールドや登山など別のアクティビティ中に普通に出会う可能性があることから、High として区分しています。
ただし、いずれも絶滅危惧の度合いは非常に高く、撮りたいがために接近や人の集中によるストレス、生息地の踏み荒らしなどが非常に問題になっている種でもあるため、依然として慎重な対応が求められる区分であることには変わりありません。
野鳥GOアプリへの写真の登録は可能ですが、他者の探鳥欲や撮影欲を煽らないよう、他者公開は完全不可としています。
ブッポウソウとタマシギの扱い
ブッポウソウは SNS 等でよく写真を見かけ、巣箱と観察小屋が設置されている場所もありますが、国内推定数は約550〜700つがいほどと言われています。
住宅地に近い巣箱設置場所であっても、長時間観察や巣箱への接近による営巣放棄が起こっているとされており、High(慎重な観察が求められる種)に区分しています。
タマシギも、人が容易に近づける水田で営巣・育雛するわりに非常に警戒心が高いため、放棄リスクが高い種とされています。人気種かつ農地という場所柄、人の殺到による人的トラブルも多いため、High の区分のままです。
絶滅危惧度合いとしても、国内推定数は約25,000個体と言われており、他の High の種より個体数は多いですが、絶滅危惧Ⅱ類(VU)に設定されています。
この2種は SNS や動画共有サイトでもよく見かけるため、「慎重に観察され、運営により認証され、時期をずらした投稿(現状30日後)ならいいのでは?」というご意見もありそうです。
各区分の線引き理由が曖昧だと、ルールやマナーもおざなりになりがちですが、一旦は安全側に倒し、Medium ではなく High に区分しています。
トキ、クマゲラ、ミゾゴイ、ヘラシギも旧非公開種から High に区分
これらも世界的な希少性や絶滅危惧度合いから、以前は非公開種として、運営認証+30日経過で写真の公開も可能としていました。
今回、High として区分し直し、他者公開は不可となりました。
登録不可となる種について
これまで旧保護種として設定していた種も、野鳥GOへの写真登録・閲覧は可能にしていました。
今回、Extra high に設定したシマフクロウ、イヌワシ、アカモズは、その希少度や絶滅危惧度合い、繁殖悪影響のリスクの高さ、環境省や野鳥団体などの発信、過去の餌付けなどの是非の議論などを考慮した結果、野鳥GOアプリ上では登録自体を不可扱いとしました。
ただし、「既に登録がある写真をマイページでも閲覧・削除もできなくなる」というのは困るため、既存の登録写真については一定の移行期間を設けます。
保護種タブの廃止
これまでモバイルアプリでは図鑑に「保護種」タブを設け、シマフクロウなどを別枠で分けていました。
新 Version 6.19.0 以降はこれを廃止し、すべてのセンシティブ種も含めて図鑑の科の中に表示されます。
ただし、Extra high / High の種は「?」画像ではなく、最初からアプリに用意されているデフォルト画像が表示され、詳細画面には「保護活動について知る」のリンクなどの情報が表示されます。


「みんなで作る野鳥図鑑」も同様の扱いで、High の種であってもユーザーの写真は表示されません。
これは種の分類として、例えば「フクロウ科の中にシマフクロウという種を表示しない」のも不自然だったためです。
また、種自体を秘匿するのではなく、種について、特に絶滅危惧度合いや保護活動、トラブルリスクなどについて知ることは大事という、保護団体などの考えに賛同するためでもあります。
また他の背景として、図鑑レベル・代表画像・海外種・センシティブ度+季節など、アプリ上で種をフィルターする条件が増えてきており、システム的に複雑になって管理や品質担保が難しくなってきたことも理由の一つです。
加えて、
- タブをフィルターとして使うのがモダン UI デザイン的にアンチパターンである
- フレンド機能などの新機能実装にあたり、アプリ上のスペースを空けたい
といった理由もあります。
「会いたい」タブも移動
「会いたい」タブも、右下のフィルターボタンから絞る形に変更になっています。

種数カウントへの影響
アプリ上では、ゲット済み(写真登録済み)の種数を表示していますが、Extra high の観察自粛推奨種はこのカウントから除外しています。
ただし High の種も含めて、寄付や保護活動への貢献、学習などによってゲット扱いにする仕組みを計画中です。
(寄付などのお金が絡むと、現状の野鳥GOの体制では税金・事務の観点から対応できないため、自己申告制にする予定です。)
